執筆: S.S
はじめに
はじめまして、ORENDAで、モーションのお仕事をしておりますS.Sと申します。
長年、映像制作に関わってきましたが、今回ORENDAでブログを書く機会をえたので、
自分の得意なモ-ションに関して書くことにいたしました。
内容ですが、Mayaでフリーのリグを使い、後ろ回し蹴りの作り方をご紹介いたします。
ファイル(キャラモデル)を用意します
フリーのリグ、今回は MOXーMOTION 様のフリーリグ「MoxRig for Maya」を使用
させていただきます。
シンプルなので、動作が軽くて、モーション作成の練習をするにはもってこいのリグです。
↓ こちらからダウンロードサイトへ行けます。
シーンを読み込みましょう
先ほどダウンロードした、シーンデータを Maya2018 で開くと MoxRig が読み込まれます。
腰、手足の赤いコントローラーで、移動と回転を付けられます。
基本ポーズを付けましょう(構えのポーズ)
棒立ちから後ろ回し蹴りを繰り出してもイマイチ雰囲気が出ないと思いますので、まずは好
きな構えポーズを取らせましょう。
私は、某格闘ゲームの主人公が好きなので、こんな構えです。
左手が、あごを殴られないように、さりげなくカバーしているのがポイントです。
キーになる、ポーズを付けていきましょう。
ジャブ(いわゆる弱パンチ)くらいだと、決めの部分だけで終わりなので、あまり考えなく
て良いのですが、ストレート、ハイキック、といったそこそこ大きい動きをする技は、
攻撃が、相手にヒットするキメのポーズの前に、力をひきつける溜めのポーズが入ります。
今回の後ろ回し蹴りだとこんなポーズになります。
動きの流れとしては腰を蹴りを放つ方へ持って行きつつ上体を先行させて体をひねっていきます。
フレーム数は20F目です。
構えのポーズから、このポーズに持って行きたいので、5F間隔でキーを打っていきます。
なぜ5F間隔で揃えているかというと、後で動きの緩急を付けるときに、
キーを打っている位置が揃っていると調整しやすいからです。
05f 腰を少しひねりながら蹴りを繰り出す方へ移動
10f さらに腰をひねりつつ上体も回転させる
15f 上体が腰の回転を追い越して回りつつ蹴る足が地面を離れる
20f そして最初につけたポーズに到着、ここまでの流れに合わせて調整します。
25f 溜めのポーズからさらに力を引き絞ったポーズを付けます。
上体がさらに回転し下半身は、それに引っ張られて回っていくけれど、
ここで、ぐっと力を溜めているイメージです。
30f そしてようやく蹴りのキメ(いわゆる当たり判定のある)のポーズに到着です。
前のコマで溜めていた力を一気に回転させて放出するイメージです。
ここのポーズは、立っていられそうか、バランスに注意と、指先の形もしっかりつけるとかっこよくなります。
あと、この時もあごをカバーできるように右手を持ってきていると、
ポーズがいい感じにまとまります。
35f 振りぬいた足とバランスを撮る感じで上体が起き上がります。
40f ~ 45f 50f の基本の構えポーズに自然につながるように推移していきます。
50f (00f)基本ポーズ(構え)に戻ってきました。
あと、キャラクターを横方向だけでなく、正面からも定期的にチェックして、
ポーズのバランスが撮れているか確認しながら、作っていきます。
動画で確認しましょう。
後ろ回し蹴りの完成です!
(本当はこの後、キーを打ったフレームを移動させて緩急の調整をするのですが、
意外と良い感じにまとまっているので、今回は、ここで一旦完成とします)
まとめ
ここ数年、格闘ゲームっぽい技を作っていなかったので、不安だったのですが、
大枠が出来て作りこんでいく辺りから楽しくなって来ました。
最近では、時間とやる気があれば、UnityやUnrial Engine でゲームを作れる環境があるので、
自分で作った技を組み込んだゲーム制作にぜひ挑戦していただければと思います。
(ゲームが完成しなくても、ボタンに反応して技が出るだけでも楽しいです。)
関連リンク
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